かえってきたら,1匹ほどやっぱり羽化していました。しかも早々と力尽きていて彼の人生を思うと悲しい限りです。
繭を乾燥することを,乾繭(けんかん)というのだそうです。乾燥させることで,絹糸の品質を高めるという目的と,水分が減ることでカビが発生したり,害虫に食われるようなことを防ぐ目的もあります。そして,同時にこの乾繭で蚕を殺すことなります。
繭に穴があくと,一本の糸でできている繭からとれる糸が極端に短くなり商品としては使い物にならなくなるのだそうです。いろいろ調べてみましたが,1日冷蔵庫に入れて成長を止めてから乾繭するというのが本当のやり方にようです。養蚕業では,この部分については,農家の担当ではありません。乾繭工場に繭を出荷するところまでが農家の仕事のようです。
繭をつくって10日ほどで羽化しますから,この連携は時間との勝負ですね。という私も家族旅行なんかにいっている場合ではなかったのかもしれません。
そこで,今日から乾繭の方法を変えることにしまいた。参考にしたのはこの豊田市近代の産業とくらし発見館の公式ブログです。
参考にしたページによると,車の車内フロントガラスの直射日光の当たるところに置いて乾繭するとのことなので,私はこうしてみました。吉と出るか,凶と出るかはわかりませんが,金属製のお菓子の箱に繭を入れて,上からラップをするという仕掛けです。金属なので,直射日光にあてるとガンガンに熱くなります。しかもラップがあるのでその場の空気も車の中以上に一気に上昇するはずです。やってみたら1時間ほどでラップが白く曇りました。蛹の水分が蒸発してラップの内側に細かい水滴になってついたことになります。ということはこの空気を逃してあげないといけないということになります。ラップに早速穴をあけ空気を通すために端をちょっとだけまくっておきました。これでうまくいくかな。
解説書にはない方法ですが,まだまだ試行錯誤中です。蚕の飼育については,詳しいページが数多くあり,とても参考になります。