2012/11/04

Standing on the shoulders of giants

先日NHKのコズミックフロントというBSで放映されている科学番組(「宇宙(そら)を泳ぎ 星を歩く ~宇宙服開発物語~」)で宇宙服の開発が紹介されていて,その中で一人のNASAの職員がいっていた。
「NASAでは,『我々は巨人の肩の上に立っている』といいます。」



アポロ計画の試行錯誤の中で生み出された宇宙服,伸縮性のあるゴムを採用するアイディアにはじまり,ワイヤーで手の動き拘束して,スムーズな動きを実現する工夫や,腕や手首などの関節部分にベアリングを採用するアイディアなど,宇宙服に採用されているアイディアは実に多種多様。

今現在火星探査などをめざして開発が進められている宇宙服も,様々なトライを繰り返しながら着実に技術が積み上げられている。その現場に立つ第一線のNASAの女性研究者がいうのだ『我々は巨人の肩の上に立っている』と。彼女は続ける,色々試行錯誤をしてみるのだが,結局アポロ時代の技術を採用していることがよくあるというのだ。それだけあの時代もう40年も前の技術を乗り越えることは難しいということだろうか。

今ネットで調べてみたら,ニュートンもこの言葉を使っていたらしい。ニュートンは彼自身の偉業について意見を求められたときにこう答えた。
「もし私が他の人よりも遠くを見ているとしたら、それは巨人の肩の上に立っているからだ」

iPS細胞でノーベル賞を受賞した山中伸弥教授は,NHK特集(NHKスペシャル「ノーベル賞・山中伸弥 iPS細胞“革命”」)の中でこういっていた。
「研究は何百年も続く長い長い駅伝・リレー,私たちはタスキをつなぐ役割」

そして,このブログでも紹介したジョブズの伝記の最後に書かれていた言葉を思い出してみる。
「先人が遺してくれたものが使えることに感謝を表したい。」


みな同じことを言っている。
最先端を走る技術者,科学者が同じことを言っている。
この意味を考えたい。