ロボコン茨城県大会が終わった。ロボコンをはじめて10年目になるが,今日は最後の一日だったのだと今ふりかえっている。
「先輩を越えたい!自分にもできるはずだ!」
ロボコンではある意味で,生徒たちにその時点の自分達の能力以上のことができるような感覚をもたせることが私の一番の仕事といってもいいすぎではない。
乗り越えたいと思った時,先輩が何を学んできたかを彼らは必死に学ぼうとする。その試行錯誤の中で,いつしか先輩を超える瞬間がやってくる。それも先輩と全く同じ方法でというより,先輩が気づかなかった方法であったり,先輩が試していなかった方法であることが多い。
5教科の勉強をしていても,先輩を乗り越えたという実感をもつことは難しい。点数では比較できるかもしれないが,先輩の学びの成果が自分の学びに生かされているという感覚がないからだ。ロボコンを学んで卒業していった生徒たちには,自分の学びが後輩の学びに生かされているという実感がある。それが私の学校のロボコンの学びだ。
先輩の学びは,私という指導者を介して後輩達に伝えられることもある。私には教えているという意識はなくて,年度を越えて生徒たちの学びをつないでいるという感覚がある。詭弁だと感じる人もいるかもしれないが,指導者としての意識はロボコンを実践するようになってから,劇的に変わってしまった。
県大会でロボコン大賞をとるために生徒達を指導しようという意識では,生徒たちの間にロボコン技術文化を育ませることはできない。無理に指導しても,生徒たちがついてくるはずもない。
生徒一人一人が「先輩を越えたい!自分にもできるはずだ!」と感じてくれた時,一人の指導者の頑張りだけでは達成できない生徒の学びが実現する。ロボコンは私に,技術教育は指導者だけで作り上げるものではないことを教えてくれた。
今日の県大会では,私の学校からは8チーム全てが出場して,8チーム全てが予選リーグを勝ち上がった。最後に1チームが残った。「ろぼ音頭fin」彼らは,ロボコン大賞を受賞した。私の学校では選択教科は来年からなくなってしまう。今年は選択ロボコン最後の年だ。
谷田部東中の選択ロボコンで学んだ卒業生達に胸をはっていいたい。
今年も後輩達は先輩を超えたよと
みんな,ありがとう。
2011/11/03
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