日常生活に欠かせないバーコード,これでピッとすることでレジが簡略化され,データ処理もできるようになりました。中でも最初の数字が49または45ではじまるバーコードは日本でバーコードが設定されたもので,JANコードと呼ばれます。
このJANコードの数字を読めば当然ですが,製造したメーカーや商品名がわかります。残念ながら価格情報は入っていません。価格はそれらのJANコードに対して店側でサーバーに設定することでその情報をレジ端末が読み取り,レジに価格を表示させています。まわりくどいように感じますが,これがとても大事なことで,何がどこでいくつ売れたかという情報が店側に蓄積されていきます。多店舗展開しているお店では,どの地域にどういった傾向があるなどの情報も蓄積されていくことになります。売れ具合をみながら価格を変更したり,何を補充すればよいか決定するための情報が得られます。このシステムをPOSシステム(Point of sale system)といい,今では商品管理になくてはならないものになっています。
私と同じ茨城の技術科教師である
田村俊之先生が,バーコードリーダーを用いた様々な教材開発をさせていることに刺激を受けて,私も5年前密かにバーコードリーダーを入手していました。当時1万数千円したと思います。今ネットで調べてみると同じ程度で入手可能です。バーコードリーダーのすごいところはどんなOSでもほとんどそのドライバーが組み込まれていることです。USBに接続した次の瞬間から使えます。使ってみるとわかりますが,バーコードリーダーはバーコードの数字を手入力せずにキーボードで打ち込んだのと同じ働きをしてくれるようになっています。ワープロ等の画面にしてビッとしてみると,バーコードの数字が画面に打ち込まれるので,動作は簡単に理解できます。
と,ここまでは5年前からわかっていたことなのですが,ここからが昨日発見したWeb上のソフトの紹介です。これまではJANコードを読み取り,その商品情報を自ら入力してデータベースをつくらなければならなかったのですが,ネットの世界はどんどん進みJANコードを入力するだけで,その商品の情報が得られるWebアプリを昨日発見しました。
このWebアプリは,iGoogleというGoogleが提供しているWebアプリ環境(JAVAスクリプトで作成して全世界に公開できる)で使うことができます。iGoogle自体は誰でも利用可能なので,このソフトも提供もとがやめない限り,無料で使い続けることができます。さきほどの理屈でJANコードの欄にカーソルをあわせてバーコードリーダーでピッとやると,数字が入力され,隣の商品検索のボタンを押すと,商品名,メーカー,分類が表示されます。誰がこんな膨大な情報を入力したのだろう・・・これは企業内にしかないデータのはずなのに・・・と思って調べていくと,納得。このソフトの1行目の「JANコード検索」をクリックすると提供している会社の経営している家計簿サイトがあらわれました。このサイト,家計簿までPOSのように自動化してしまおうというソフトなのです,データは最初に誰かユーザーが一人入力すれば他の人達はその恩恵にあずかれることになります。どこのお店で買ったのかユーザーが入力していくと,どの商品が地図上のどのお店でいくらで売られていたのかがデータとして蓄積されていく仕組みです。ユーザー側は商品名などを入力する手間がかからず,サイト側とすれば,収集したデータを元にビジネスを展開していこうとしているようです。まさにWeb2.0的なユーザー参加型のビジネスモデルに納得させられました。
このソフトの商品名をクリックすると,その商品に関する情報のページが表示され,会社名をクリックするとその商品を製造している会社のページにつながります。単純にこの情報だけでも教材としてかなりつかえそうです。これまでかなり敷居の高かった中学校技術科でのPOS実習に道を開くことになるのではと感じています。さらに追求していくと,おもしろい教材ができそうですね。