2011/08/09

乾繭の技術

かえってきたら,1匹ほどやっぱり羽化していました。しかも早々と力尽きていて彼の人生を思うと悲しい限りです。

繭を乾燥することを,乾繭(けんかん)というのだそうです。乾燥させることで,絹糸の品質を高めるという目的と,水分が減ることでカビが発生したり,害虫に食われるようなことを防ぐ目的もあります。そして,同時にこの乾繭で蚕を殺すことなります。

繭に穴があくと,一本の糸でできている繭からとれる糸が極端に短くなり商品としては使い物にならなくなるのだそうです。いろいろ調べてみましたが,1日冷蔵庫に入れて成長を止めてから乾繭するというのが本当のやり方にようです。養蚕業では,この部分については,農家の担当ではありません。乾繭工場に繭を出荷するところまでが農家の仕事のようです。

繭をつくって10日ほどで羽化しますから,この連携は時間との勝負ですね。という私も家族旅行なんかにいっている場合ではなかったのかもしれません。

そこで,今日から乾繭の方法を変えることにしまいた。参考にしたのはこの豊田市近代の産業とくらし発見館の公式ブログです。

いままでは,蚕さんについてきたB4×2枚ほどの解説書に従ってきたわけですが,このままでは次々に蚕さんたちが羽化していまいそう・・・そして今日はガンガンに晴れて日差しも強い!

参考にしたページによると,車の車内フロントガラスの直射日光の当たるところに置いて乾繭するとのことなので,私はこうしてみました。吉と出るか,凶と出るかはわかりませんが,金属製のお菓子の箱に繭を入れて,上からラップをするという仕掛けです。金属なので,直射日光にあてるとガンガンに熱くなります。しかもラップがあるのでその場の空気も車の中以上に一気に上昇するはずです。やってみたら1時間ほどでラップが白く曇りました。蛹の水分が蒸発してラップの内側に細かい水滴になってついたことになります。ということはこの空気を逃してあげないといけないということになります。ラップに早速穴をあけ空気を通すために端をちょっとだけまくっておきました。これでうまくいくかな。

解説書にはない方法ですが,まだまだ試行錯誤中です。蚕の飼育については,詳しいページが数多くあり,とても参考になります。

2011/08/07

夏休みの家族旅行中


奥日光湯元温泉にきています。猛烈な雷雨でたどり着くか心配でしたが,温泉にも入れてやれやれです。明日,湯の湖一周のハイキングに出かけようと思います。晴れる予報ですが,足下がちょっと心配です。湯の湖一周1時間です。未学齢児が2人いるので,ゆっくり朝食前にハイキングの予定です。

蚕さん達は,あのペットボトルに入れたまま,ベランダに置いてきました。どうなっていることやら・・・。日差しが十分でなく温度が上がらないのではと思えます。雨が入り込んで乾燥どころではないかもしれません。もしかしたら羽化してしまっているかも・・・。

2011/08/06

31個の繭がとれました


31個の繭がとれました。まぶしから地道に取り外すのは結構な労働かもしれません。繭をつくる直前に蚕さんたちがしていった糞は,いつもの糞ではなくて,色が白っぽいものです。乾燥していてあまり汚いという印象ではないのですが,その糞を取ってあげて白い繭の部分だけを切り取りました。

繭をとった後のまぶしはなんとも寂しい限り,足場になっていた糸がなんともいえない悲しさを漂わせます。

しかし,まぶしの善し悪しが繭の善し悪しに影響するというのはよく分かりました。一定品質の繭を生産しようとおもったら,この部分の工夫は欠かせませんね。回転まぶしや,稲わらで作ったまぶしなど全国各地には,様々な工夫があることもWebを検索していてわかりました。次回はまぶしの改善に取り組みたいと思います。

同時期に一斉に繭をつくるように飼育するのも必要な技術だと思います。この後糸をいかにして取るかを考えていかねばならないのですが,この部分にもかなりの技術がありそうです。


今回とれた31個の繭ですが,この後乾燥させます。

そう,蚕さん達には,乾燥という名の死が待っています。生物を飼育するということは,いつかこういうことが待っているということです。彼らの命を無駄にせず,使い切ることが蚕さん達への礼儀だと思うことにします。

31個の繭の重さは,約80gでした。一ヶ月飼育しても80gなんだと思うと同時に,繭の重さには当然蛹の重さも入っていますから,絹糸や絹織物をつくるために,どれだけ手間暇がかかっているのかを実感できます。

とりあえず,解説書に書いてあった乾燥の方法を試すことにします。
ネットに入れて,ペットボトルにつるし上から黒いビニールをかぶせ直射日光に当たるところに3日間ほどおきます。内部の温度は,60度~80度になり,蛹が乾燥するということのようです。

繭の重さが,40%~50%にすることで,羽化を防止することになります。子孫を残すためには,羽化して交尾をしなければなりません。しかし,今回は全てを乾燥させることにします。まだ私には世代をつなげるノウハウがありません。

今日から3日間,乾燥させた後,いかにして糸をとるか考えたいと思います。



繭の中には蛹が

かえってきたら,小さなからだの蚕さんだけが残り,1匹は糸をはく場所が適切でなく力尽きお亡くなりになっていました。残りは全て繭になったことになります。30個は越えたと思います。


まずは,6月26日~28日にかけて最初にできた繭からまぶしから取り出してみました。かなりがっちりとまぶしに足場用の糸で取り付けられているのではがすのが結構大変です。


そして,まぶしをとってみてビックリその裏に巨大な繭が・・・。これはまぶしのような適切な場所でなかったこととが原因かと思ったのですが,それだけではなかったようです。この1週間裏側をみていなかったのは失敗でした。


巨大な繭の中を見てみると,さなぎになりかけの蚕さんが2匹,そうなんです。2匹で繭をつくってしまったがために巨大に,しかしその巨大さゆえに繭は十分な堅さにならず,繭として機能しません。糸もとれないかもしれません。真綿としてなら使えるかな・・・。

2011/08/03

新幹線の車窓から


蚕さんたちは大丈夫だろうか・・・不安を感じつつも,まぶしを大きな段ボールの中に入れ空気が入るようにふたをしてきました。早く繭になった蚕さんは,この3日間で丁度10日になります。もしかするとかえったら羽化しているかもしれません。

すぐに繭を乾燥させる準備が必要ですね。しかし,この作業で蚕さん達はすべてお亡くなりになることになります。そのために飼われているのが蚕さんですから,仕方ないのですが,これだけ世話をするとこんな私でもちょっと感じるものがあります。繭大事につかいたいですね。

2011/08/02

28匹が繭をつくり,3匹は繭をつくろうとし,1匹は小さすぎて・・・


蚕さんたちは,4匹を残して全て繭になりました。明日から研究会で3日ほど留守にするのですが,もはや蚕さん達は餌を食べようとはしません。残り4匹もうまくまぶしの中で繭をつくってくれるのを祈るばかりです。

一匹だけ小さな蚕さんがいます。食も進まず,体は他の蚕さんの1/5にもみたないサイズです。彼は繭をつくれないかも,かなしいけど,それが現実かもしれません。